第35回日本社会精神医学会の開催にあたって

今回、岡山市で第35回日本社会精神医学会を開催することになりました。 期間は、2016年(平成28年)1月28日(木)・29日(金)の2日間です。 富山市での第34回大会が盛大に行われた後ですので、若干の緊張を感じています。

社会精神医学とは、精神医学の中にあっても、特に疾患と社会との関連に焦点をあてた学問領域であると理解しています 。随分以前から医師が患者を診るに際して、bio-psycho-socio-ethicalな立場から、多角的に診る必要性が説かれてきました 。まだ生煮えの考え方ではありますが、人を社会的存在として考えることには、大いに共感できます。

今回の第35回日本社会精神医学会のテーマは「人口減少社会における精神科医療の挑戦」といたしました。 社会は常に変化・変動しているものであり、私たちの考え方も常に変革を求められています。 現代における疾患と社会との関わりについて、特に私に完成した考えがあるわけではありません。 むしろ、この学会期間中を通して、諸先生方の意見を拝聴しつつ、自分自身の考えをまとめてみたいと思っています。 また、「挑戦」としたのは、変容しつつある困難に果敢に立ち向かう精神科医療に携わる一人ひとりの姿を思い浮かべたからです。

プログラムの構成については、現在問題となっている諸課題を柱に据えつつ、現実との苦闘に光を当てることができれば…と思っています。

一人でも多くの会員・非会員の方々にご参集いただき、明るく賑やかな会になることを願っています。 岡山は災害も少ない晴れの国、と言われていますが、当日何が起こるかわかりません。ぜひとも岡山にご参集ください。


第35回日本社会精神医学会
会長 中島 豊爾
地方独立行政法人岡山県精神科医療センター 理事長・名誉院長
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